
2021年6月24日(木)11時00分~12時00分、
株式会社Specteeとの共催セミナー「ゼンリンデータコム×Spectee|ビッグデータで読み解くコロナ禍の変化「位置情報データ×ライフスタイル」&「SNSデータ×サプライチェーン」」にIoT事業本部 IoT第二事業部の川上 拓郎さん(以下 川上さん)が登壇しました。
今回で2回目の開催となる株式会社Specteeとのセミナーは約230名の方にお申込みいただきました。
川上さんは「GPS位置情報から読み解くライフスタイルの変化~新型コロナウイルスの感染拡大は人の行動にどのような影響を与えたのか?」というテーマで、「混雑統計Ⓡ」のサービス概要と昨今のコロナ禍での人の動きについて紹介しました。
混雑統計Ⓡ
サービス概要
「混雑統計Ⓡ」とは携帯電話利用者から許諾を得て取得したGPS位置情報ビッグデータを、分析プログラムで総体的かつ統計的に加工を行った「人流データ」のことです。

「混雑統計Ⓡ」で使用する位置情報データは600万人の位置情報を5分間隔で連続測位したものとなります。
「混雑統計Ⓡ」は人がどこから来たのか、どこへ行ったのかを把握できるだけでなく、利用する交通手段の分析や観光周遊の状況分析も可能です。
当社では単に収集したデータを解析し、提供するだけでなく、データの活用までサポートしています。

人流データのカウント方法と分析について
このように人流データを収集することでさまざまな分析を可能とする「混雑統計Ⓡ」ですが、人流のカウント方法には主に2種類あります。
①「点」で数える
1つ目のカウント方法は人流データを「点」として数える方法です。
このカウント方法は一般的な人流データの捉え方であり、主にそこに居た人の数を数える考え方になります。
②線で数える
2つ目のカウント方法は人流データを「線」としてとらえる方法です。
いわゆる移動した数(「外出数」等)を数える考え方になります。
これらの分析においては、プライバシー保護の観点から非特定化・集計・秘匿処理を適切に実施しており、最終的には各処理を施した統計データとして提供しています。
コロナ禍における人の行動変化
コロナ禍における人の行動変化について、「点」で数える方法と「線」で数える方法の2つのカウント方法の違いによって、分析結果に違いがありました。
滞在数の分析
以下の図は2019年6月と2020年6月の休日を対象として、新宿・渋谷・銀座エリアに15分以上滞在した人の数を比較したものです。
2020年の滞在数は2019年に比べて5割強の落ち込みがあり、繁華街での人の滞在数は大幅に減少したことがわかります。
報道でよく耳にするような、わたしたちの感覚値に近い結果が出ています。

次の図はどこの地域から渋谷エリアへ人が流れているのかを表したものとなります。
これも2019年6月と2020年6月を比較したものですが、2020年では遠方地域からの流入が減少しています。
こちらも感覚値に近い分析結果となりました。

外出数の分析
続いては「線」を捉えた外出数の分析です。
以下は第1回緊急事態宣言中の2020年4月・5月と前年の2019年4月・5月の八王子、武蔵小杉、市川市エリアでの外出率※を比較したものとなります。
※外出率=エリア内での外出発生人数÷エリア内居住人数

この図を見るとわかる通り、2020年と2019年の外出率ではわずかな違いしかありませんでした。
「点」で数える滞在数の分析では遠方への目的を持った移動が大きく減少した、と説明しましたが、スーパーや公園、コンビニといった自宅付近の近距離の移動については宣言前と比較してもほぼ変化がなかったということがわかりました。
次の図は第2回緊急事態宣言中の2021年1月・2月と2019年1月・2月の八王子、武蔵小杉、市川市エリアの外出率を比較したものです。第2回緊急事態宣言中では前年に比べて近距離の移動も減少しています。
第1回目の緊急事態宣言を経て、在宅勤務といった働き方の変化や、外食ではなくテイクアウトを利用するなど、巣ごもりが定着したのではないかということが読み取れます。

「混雑統計Ⓡ」では、異なったカウント方法で分析を行っていくことでコロナ禍での人々のライフスタイルの変化といった細かな分析が可能となります。
セミナーを終えて
サービス内容、そして活用事例の紹介後には質疑応答が行われ、ウェビナーは終了となりました。
最後に、川上さんよりセミナーを終えてのコメントをいただきました。
Q.今回で5回目のセミナー登壇となりますが、手ごたえや参加者の反応はいかがでしたか?
昨年度も「混雑統計Ⓡ」を用いたウェビナーを実施致しまして、その時も大変多くの方にお申込、ご視聴を頂けました。
今回は、大変有難いことに前回よりも多くの方にお申込を頂き、コロナ禍で人流データはますます注目度が上がってきているなと感じているのと同時に「混雑統計Ⓡ」が役立つシーンはまだまだ多く残っているのだなと感じております。
Q.今回のセミナーへの登壇で意識した点、工夫した点はありますか?
今回は、「混雑統計Ⓡ」のデータそのもののご説明よりも、「それによって何が分かるか」が伝わることを意識しました。人流データと一言で言ってもなかなかイメージが湧きにくいと思うので、「集計されたデータ」と「身近な行動」とを紐づけて見ていただいている方がより自分事としてイメージしていただければなと思いシナリオを考えました。
Q.今後のさらなる取り組みがあれば教えてください。
コロナ禍前と比べると“人流データ”というフレーズはだいぶ浸透してきた印象がありますが、まだまだそのデータを活用するというところまでは馴染んできていないと思っております。
今後も業務の中での”データの活用”そのものはますます加速していくと思いますので、特に「混雑統計Ⓡ」が得意とする集計データ仕様のカスタマイズ性・オリジナル性を発揮し、「身近な行動」を人流データに読み替えていくことで、様々なシーンで”人流データの活用”に貢献していきたいなと思っています。
※川上さんが過去に登壇された第1回Spectee共催セミナー、その他セミナーのレポートはこちらよりご覧いただけます。
