
2022年8月26日(金)13時00分~14時00分、自動車業界向けニュースのレスポンスを運営する株式会社イード主催のウェビナー「『今のインド』モビリティの実態・セミナーシリーズ~第一回 ゼンリンデータコム~」が開催され、経営企画本部の出口 貴嗣さん(以下 出口さん)が登壇し、講演を行いました。
このウェビナーは現在インドで事業展開しているスタートアップや地場事業者、日系企業からゲストを招き、「今のインド」のモビリティの実像・実態について解説していくものです。
出口さんの経歴
出口さんは2010年ごろから海外事業責任者として協業事業を担当しています。
当社がインドでビジネスを展開するにあたって、商用車テレマティクスを専門に手掛けるInfoTrack Telematics社との協業を推進。
2014年から2017年にかけてはインド ベンガルール市へ赴任し、インドの自動車会社のテレマティクスサービス立ち上げに関わりました。
帰国後にはボトムアップ型や協業での事業創出を担当し、現在インドビジネスに取り組む企業に対して自らの経験を共有し、インドビジネスを軌道に乗せるための支援も行っています。
ウェビナーの内容を要約してご紹介します。
出口さん講演
出口さんの講演からウェビナーはスタートしました。
今回は有料セミナーで、対象がインドビジネスを模索している方向けに「今のインドのモビリティの実態」を伝えることが目的だったため、導入として、インドそしてベンガルール市の基本情報や食生活、街の風景、インフラなどを紹介しました。
日本のような総中流社会とはかけ離れた階級社会のため、住むところも、行くレストランも、利用する交通機関も階級によって違い、当時住んでいた外国人向けアパートと、一歩外に出た時のギャップや庶民の足となっている路線バス、信号機のない市内でカオスのような交通状況について写真を交えて説明がありました。




また、IT企業の集積地には、先進国と変わらないITパークがあり、その近くには大きなショッピングモールがあり、IT産業で働くハイレベル人材は、それに見合う環境が与えられているものと感じました。

インドに注目し活動を続けている点について、出口さんはインドと中国を比較した人口ピラミッドを提示し、
「どちらも人口が約14億人の国ですが、高齢化が進んでいる中国とは反対にインドでは若い人が多く、彼らが国を牽引していきます。
今後の成長性を見込めるところに興味を持ちました。」とコメントしました。

続いてIT産業の発達と協業・買収したInfoTrack Telematics社について、またビジネス上の課題、駐在時に取り組んだ事例を説明しました。
インドのIT産業の発達について
1990年から2000年代にかけてはオフショア※1とBPO※2の拠点として発達していたインドですが、最近では大手グローバル企業が数千人規模の高度理系人材を集めた研究開発センターを設立する動きがあり、ベンガルール市はその拠点都市になっていると説明がありました。
※1…物価や人件費が安い地域に業務の一部を移し、コストを削減すること。
※2…Business Process Outsourcing。企業活動における業務のプロセスの一部を専門の業者に外部委託すること。

InfoTrack Telematics社について
InfoTrack Telematics社については企業概要と提供しているサービスの代表的な事例を2つ紹介しました。



現地の動態管理のニーズについて出口さんは
「トラック、バスに限らず大部分の交通機関が時間通りには動かないということは日常茶飯事。
またドライバーの社会階層は低く、問題を多数抱えています。
動態管理では、車両の管理というよりもドライバーの管理がメインです。
はじめは位置情報をトラッキングするシンプルなものでしたが、不正が起こらないように車両をコントロールするものまで出てきています。」と話しました。
駐在時に取り組んだ事例
またインド駐在時に取り組んだ事例についても2つ紹介しました。





こうした取り組みについて、
「プロジェクトがうまくいかず、トライ&エラーを繰り返した日々。
成果につなげていくためにやるべきことは山ほどありました。」とコメントし、出口さんの講演は終了しました。
対談
講演の後には、本ウェビナーのモデレーターを務める大和合同会社代表の大和 倫之さん(以下 大和さん)と共に、他国との相対間やインドの特徴・特殊性について、また過去10年間の変遷についての対談が行われました。

対談の中で出口さんはインドビジネスの進め方として以下の5つを提言しました。

最後に「これからのインド」について
「新しい会社やビジネスが立ち上がっているという大きな特徴があります。
インドで作られたものが世界中で使われるような事例がこれからどんどんと出てくると思います。」と出口さんは話し、ウェビナーは終了しました。
ウェビナーを終えて
ウェビナーを終えて、出口さんよりコメントをいただきました。
出口さん:
今回のウェビナーは、スズキ、デンソー、パナソニックオートモーティブズ、ヤマハ発動機、アルプスアルパイン、本田技研工業といった、インド進出を検討している自動車業界各社の方23名が参加されました。
レスポンス会員向けのウェビナーのため、当社がこれらのお客様にアプローチすることはできませんが、非常にマイナーで専門性の高い有料セミナーでもこれだけのメンバーが集まったことは驚きました。
現時点で当社にとってインドビジネスは遠い存在ですが、GAFA各社の研究開発部門は、インドに数千名規模で研究拠点を構築し、ここではインドの高度理系人材が世界の研究開発をリードしています。
日本のPayPayは、インドで生まれたサービスを日本にローカライズしたリバースイノベーションの事例で、今後はこういったインド発で世界を席巻するサービスが多数出てくることは確実であり、当社も含めインドの活用は今後の大きなテーマになります。
実際に今回参加していただいたホンダ様とは数年前よりこのテーマで数千万円レベルの取引が発生しており、今後、同様の事例が増えていくと良いと思っています。
以下より講演資料をダウンロードいただけます。ぜひご覧ください。
