当社がパートナー企業として参画した取り組みが、「令和4年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」において「物流DX・標準化表彰」を受賞しました。

物流パートナーシップ優良事業者表彰とは

物流分野における環境負荷低減や生産性向上など、持続可能な物流体系の構築への顕著な功績のあった取り組みに対して、国土交通省・経済産業省・一般社団法人日本物流団体連合会・公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会などが表彰するものです。

今回表彰を受けた取り組みについて

事業者名:江崎グリコ、ゼンリンデータコム、鴻池運輸、ライナロジクス、誠和、ダイセーエブリー二十四

主な概要:納品条件が厳しく効率化が難しいチルド販売物流において、配送ルート最適化のためにこれまで担当者が経験に基づいて行ってきた作成を、AI配車システムを活用した作成に切り替えました。そして、最適化した配送ルートモデルを運行可能にするため、得意先と納品条件を見直し、物流事業者と車両の変更やドライバーによる作業の軽減について調整を進めた結果、車両台数の削減と積載率向上、および労働時間の削減を実現し、二酸化炭素(CO₂)の排出削減にも貢献しました。

ニュースリリース https://www.zenrin-datacom.net/newsrelease/20221222_01.html

表彰式の様子

左から立原さん・小濱さん・ライナロジクス朴社長

受賞した8件について事例発表
https://youtu.be/Bh7dxx7CLxg?t=3055 

主担当のIoT第一事業部 小濱さんにお話を伺いました。

Q. 取り組み前はどのような課題がありましたか?

A.2010年代以降、物流需要>物流供給へ転換しており、物流コストインフレが発生しています。江崎グリコさんをはじめとするメーカー企業においては、彼らが物流企業を選択するのではなく、運送事業者に選択される企業とならなければ、モノを運べない状況に陥り、製品への価格転嫁だけでなく、小売店舗に製品に並ぶことが難しくなるかもしれません。
一方、運送事業者では、物流需要が大きくなっているとはいえ、安心していられない状況にあります。長時間労働、力仕事、危険と隣り合わせという仕事内容の3Kのイメージから、ドライバーの成り手不足が顕著となり、物流コストインフレに拍車をかけています。
さらに、カーボンニュートラル社会への転換するためのGX(グリーントランスフォーメーション)や、働きやすい労働環境を目指すホワイト物流を強く推進する企業イメージは、優秀な人材の確保につながり、長期的な企業価値向上を目指すには、重要な活動になると言えます。これは、荷主企業、運送事業者ともに協力して取り組まなくてはいけない課題です。
これらの課題は、サプライチェーンのトップであるメーカーが強いリーダーシップを発揮し、「無理のない労務を実現した上での輸送力の確保」「荷主責任としての環境への配慮」「価格転嫁を抑えたうえでのサステナブルな物流の実現」を達成することが解決への糸口になります。
江崎グリコ株式会社においても、これらは課題でありましたが、解決を難しくしていたのがプリン、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム等を代表するリードタイムの短い商品の工場から店舗への販売物流です。これらチルド販売物流と呼び、他の製品と比べて、賞味期限が短いことから在庫を持てない上、天候やキャンペーン発動などによる消費量の日々変動が大きいのが特徴です。
これら配送する車両を割り当てるにも、短時間でヒトの頭の中で組み替えのでは、部分最適しか達成できず、結果、全体としては低積載・非効率な輸送となっていました。
積載率向上や車両台数削減、ひいてはサステナブルな物流の構築の実現のため、グリーンでホワイトな物流を目指した抜本的な物流改善への取り組みが進められました。

Q.取り組み後の成果を教えてください。

A.この度の取り組みでは、荷主側がAI配車システムを利用したモデルルートの作成が架け橋となり、荷主、得意先、運送事業者の強いパートナーシップを構築することができました。AI配車システムの結果は、全体最適化へのプロセスを示す大きな役割を果たしたことは言うまでもありません。作成したモデルルートは、得意先の納品条件の変更や物流現場での作業改善などが行われ、机上の空論ではなく実際に大幅な車両台数削減や積載率向上等を実現した結果、グリーンでホワイトな物流への第一歩を踏み出すことができました。
販売物流、特にチルド販売物流の領域において、AI配車システムをメーカー自らが活用して物流改善を図ろうとした取り組みは成功事例として貴重であり、他社への展開も期待されます。

Q.具体的にはどのような効果がありましたか?

A.今回の取り組みは、岐阜工場から直送される東海地区の販売物流で実施され、以下の成果が出ております。
CO₂削減量:379.0t-CO₂/年(18%削減)
車両台数削減:4,745台/年(28%削減)
労働時間削減:25,185時間/年(18%削減)
年間積載率:71%(19%向上)

Q.今後の展開を教えてください。

A.今回の取り組みでは、当社が今まで培った資産である地図情報・位置情報・AI技術を活用し、販売物流特有の複雑な条件の付いた配送ルートを最適化するツールの選定と活用方法に関するコンサルタント業務を行いました。
本取り組みの実現で、運送事業者だけでの改善施策の効果に対して、「メーカー・物流事業者共同で効率化を目指す取り組み」がさらなる成果を得られることを証明しました。
現在、物流業界は2024年問題を始めとする様々な課題を抱えています。今後はAIが使う地図の活用を促進するとともに、日本のインフラともいえる製造・物流各企業のDX、GX実現を支援することで、様々な課題解決の一助になるソリューションを世の中に提供をしていきたいと考えています。